毎日手軽にできる血圧を下げるための食事方法
血圧が高めになってきたら、早目に対処して予防する必要があります。高めの血圧をそのまま放っておくと、高血圧はもちろんのこと、重大な病を発症する可能性も出てくるからです。
高血圧は生活習慣を改善することで予防することができます。その生活習慣の基本となるのが「食事」です。
毎日の食事を変えていくことで、血圧を下げて高血圧になるのを防ぐことができるのです。
そこで今回は、毎日手軽にできる血圧を下げるための食事方法をご紹介します。
薄味で美味しく食べるための工夫

薄味で美味しくするためには、塩味を仕上げにつけるようにする。
血圧を下げるための食事というと、減塩の薄い味付けのものが多くなりがちですよね。
そのため、普段から濃い味に馴れているような人は、味気ないものに感じてしまいます。
しかし、料理方法を工夫することで、薄味でも美味しく食べることができるのです。
人の味覚は、舌の表面にある味蕾(みらい)を通して感じます。ですので、この特性を活かして味蕾にだけ塩味を接触するようにすれば、十分に満足感のある味わいを感じることができるのです。
そのためには、塩味を最初の下ごしらえでつけるのではなく、最後の仕上げの段階で味付けするようにします。
塩味を下ごしらえでつけずに、最後の仕上げで味付けするようにする。
ポテトサラダなど、じゃがいもをゆでるときに塩は入れず、仕上げに塩、コショウをふります。そうすると、少ない塩分でも十分塩味のきいた味になります。
青菜などのおひたしは、ゆでる際には塩を入れなくても、ゆで時間を短くして余熱でゆであげるようにします。そうすると水っぽくならずきれいな色を保てます。また、味付けもしょうゆよりも二杯酢、三杯酢で和えるようにすると、塩分濃度をより低くできます。
野菜炒めなども、野菜を炒めて食べる直前に塩、コショウをして仕上げます。
また、パスタをゆでる時にも、塩を入れなくても麺のコシに違いはないということがわかっています。
そのため、ソースの味つけだけで十分にパスタも美味しく食べることができるのです。
- 煮物は仕上げにしょうゆを加える。
- ポテトサラダなど、ゆでる時に塩を使わず、仕上げに使う。
- 青菜のおひたしは、ゆで時間を短くして余熱でゆであげる。
- おひたしの味付けは、しょうゆよりも二杯酢、三杯酢で和えるようにする。
- 野菜炒めは、野菜を炒めて食べる直前に塩、コショウをする。
- ちらし寿司は、すし飯に塩を使わず、具に塩味をつけてご飯と混ぜる。
- パスタはゆでる時に塩を入れなくても麺のコシに違いはない。
調味料を変えるだけで、普段の食事が減塩メニューに?

調味料のしょうゆは、「ダシ割りしょうゆ」にすることで塩分を減らせる。
家庭での毎日の料理に欠かせないのが調味料です。そのため、毎回の食事で使う調味料を変えるだけで、塩分の摂り過ぎを防ぐことができます。
刺身やおひたしを食べるときに使うしょうゆですが、そのままではなく、「ダシ割りしょうゆ」にすることで塩分を減らすことができます。
ダシ割りしょうゆは、昆布やかつお節などでとったダシ汁でしょうゆを2~3倍に薄めて作ります。ダシのうま味も加わるので塩分は少なくても物足りなさを感じません。冷蔵庫で保存しておけばしばらく使えますので、よく使う食卓のしょうゆを、この「ダシ割りしょうゆ」にしておくといいでしょう。
昆布やかつお節などでとったダシ汁でしょうゆを2~3倍に薄める。
注意したい市販の調味料に含まれる塩分については、こちらの記事をご覧下さい。
手作りドレッシングで美味しく減塩

手作りの玉ねぎドレッシングで美味しく減塩できる。
サラダに欠かせないドレッシングですが、手作りすると減塩にもなりますし、高血圧の改善にも役立ちます。
玉ねぎを使ったドレッシングにすると、玉ねぎに含まれる成分「ケルセチン」の“血液サラサラ効果”も期待できます。また、生で使うことで血栓予防の効果も更にアップするのです。
玉ねぎドレッシングは、材料を混ぜるだけで簡単にできますので、是非、作り置きしておきたいですね。
【材料】
玉ねぎ 1/4個
オリーブオイル 1/4カップ
バルサミコ酢 1/8カップ
塩 小さじ⅕
- 玉ねぎはみじん切りにする。
- オリーブオイルとバルサミコ酢を混ぜる。
- 全ての材料を混ぜて、塩を加えて完成。
※お好みでデイルなどのハーブを少量刻んで加えると、より風味が増します。
※密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存すると3日ほどもちます。
バルサミコ酢がきいたさっぱり味の玉ねぎドレッシングは、サラダの他にも、温野菜や肉料理にも合います。
味噌汁は伝統のスーパーフード?!

野菜や海藻類などが入った具だくさんのみそ汁は、余分な塩分を排出する作用がある。
「医者に金を払うなら、味噌屋に払え」「味噌汁一杯三里の力」など、味噌と健康にまつわることわざは多いです。
味噌は大豆を麹と塩で発酵させて作る、“生きた酵母”が豊富な発酵食品です。
日本では昔から作られていた伝統食である味噌ですが、昔の人はその効能を直感的に知っていたのかもしれません。
よく塩分の摂り過ぎと言われる味噌汁ですが、実は味噌汁には“塩分を排出する作用”があるのをご存知ですか?
確かに味噌に含まれる塩分は少なくないですが、それ以上に、余分な塩分を排出する働きがあるのです。
まず、味噌作りの原料となる大豆、そして味噌の具材になる豆腐や野菜、わかめなどの海藻類。
これらには「カリウム」が豊富に含まれています。カリウムは、体内の余分な塩分(ナトリウム)を尿とともに体外に排出する働きをするミネラルです。
そのため、野菜や海藻をたっぷり入れた“具だくさんの味噌汁”なら、味噌自体の塩分もうまい具合に排出されてしまうのです。
また、大豆や野菜、海藻類には食物繊維が豊富に含まれています。具だくさんにすることで、汁の量は減り、「ナトリウム」と「カリウム・食物繊維」の相殺効果によって、塩分の摂り過ぎも心配なくなります。それよりも、大豆の発酵成分や野菜や海藻類などから豊富に摂れるカリウム、食物繊維の効果で、血圧を下げる効果にも期待できるのです。
野菜や海藻類のカリウム・食物繊維が、体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出する。
みそ汁に入れる具材は“くず野菜”を活用
また、みそ汁に入れる具材ですが、いつもなら捨ててしまっている“くず野菜”を入れるのもおすすです。
本来、野菜は捨てる部分に栄養が豊富に含まれています。ブロッコリーの茎や、キャベツの外側の濃い色の葉や芯など、普段捨ててしまっている部分には栄養成分が豊富です。
捨てる野菜を容器に入れてまとめておいて、味噌汁の具材に入れて少な目の汁で作ると、野菜の旨味が出て、ミネラルもたっぷり溶け出し、塩分控え目でも十分満足できる深い味わいに仕上がります。
このように、血圧を下げるための食事は、味気ない薄味の料理だけではありません。
いつもの料理も少し工夫するだけで、高血圧の予防もできる味わい深い料理となるのです。
毎日の食事は、血圧に大きく影響してくるものです。是非、家庭で美味しい減塩メニューを楽しんでみて下さい。